日産自動車の代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)として、2020年以降の厳しい経営再建をリードする内田誠氏。
転職後にキャリアを重ね、グローバルな視点での経営手腕を発揮しながら、日本を代表する企業のトップに上り詰めたその経歴に注目が集まっています。
この記事では、内田氏の学歴と経歴、日産でのキャリアアップとCEOに抜擢された理由に迫ります。
内田誠のプロフィールと学歴
内田誠氏は日産自動車の代表執行役社長兼CEOとして2020年から経営の最前線に立っています。
厳しい経営状況の中、彼は独自のグローバル視点と柔軟な対応力を発揮し、日産の再建に奮闘しています。
幼少期からエジプトやマレーシアで過ごした豊富な海外経験、そして同志社大学卒業後の日商岩井(現・双日)でのキャリアを経て、37歳で日産に転職し、わずか16年でCEOの座にまで上り詰めました。
まずはプロフィールを簡単に紹介しましょう。
プロフィール
項目 | 詳細 |
---|---|
名前 | 内田誠(うちだ まこと) |
生年月日 | 1966年7月20日(58歳) |
出身地 | 東京都 |
学歴 | 同志社大学神学部卒業 |
趣味 | ギター演奏 |
家族構成 | 妻と娘が1人 |
海外経験 | 幼少期にエジプト、中高時代はマレーシアで生活 |
内田誠の学歴と学生時代
内田氏は同志社大学神学部を卒業していますが、その背景には独特の海外経験がありました。
父親の仕事の都合で、小学1年から5年までをエジプトのカイロで過ごし、その後日本に戻った後も中学2年から高校2年までをマレーシアで生活。
このような環境で育ったことが、のちにグローバルな視野を持つ原点となりました。
帰国後は同志社国際高校に編入。しばらく日本語に触れる機会がなかったため、受験勉強には苦労したといいます。
それでも偏差値67という難関校に進学し、英語や異文化理解の強みを活かして、同志社大学神学部に進学しました。
大学時代は大阪から2輪で通学しつつ、宗教学を専攻しましたが、宗教以外の幅広い分野で学んだことも多かったそうです。
内田誠の経歴~日産に転職しCEOの座へ~
キャリアのスタート:日商岩井(現双日)
1991年に同志社大学を卒業した内田氏は、日商岩井(現在の双日)に入社。
当時の日本企業はグローバル化が進んでいたものの、働く環境には制約が多く、海外ビジネスへのチャレンジも限定的だったといいます。
そこで、真に「世界を舞台にしたい」という気持ちが内田氏の中で大きくなり、12年間勤務した日商岩井を退職し、37歳で日産自動車へと転職しました。
日産への転職とその後の躍進
2003年、日産に入社した内田氏は、まず購買部門に配属されました。
カルロス・ゴーン元会長のもとで、ルノー・日産・三菱アライアンスの一員としての戦略的パートナーシップが進行中であり、内田氏は購買のプロジェクトに関わりながら新興国市場でのブランド戦略にも携わりました。
- 2014年:日産のプログラム・ダイレクターに昇進し、収益管理の責任者としての任務を担当。
- 2016年:常務執行役員としてアライアンス購買を担当し、ルノーや三菱との連携強化に尽力。
- 2018年:専務執行役員、東風汽車有限公司(中国)での責任者として中国市場をリード。
中国市場においては、現地ニーズに合わせた製品展開を進め、当時成長が続いていた中国自動車市場でのシェア確保に貢献しました。
この経験は、のちに日産の代表執行役社長としてリーダーシップを発揮する際の基盤ともなりました。
CEO就任と試練の連続
2019年、内田氏は日産自動車の代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)に就任しました。
当時、日産はカルロス・ゴーン元会長の逮捕後の経営再建を迫られており、2020年には「日産ネクスト」という再建計画を打ち出しました。
しかし、パンデミックの影響もあり、業績は思うように回復せず、2024年には営業利益90%減、さらに従業員の7%にあたる9000人のリストラを発表するなど、厳しい判断を迫られています。
内田誠がCEOに抜擢された理由:グローバルな視野と経営手腕
内田氏がCEOに抜擢された背景には、彼の海外経験に裏打ちされたグローバルな視野、異文化間での意思疎通能力、そして購買から新興国市場での実績に至るまでの幅広いスキルが評価されたためです。
また、ゴーン元会長が築いたアライアンスに精通し、調達や中国市場での成功経験があったこともCEO就任に有利に働きました。
今後の日産と内田誠CEOの挑戦
現在、日産自動車は再建を迫られる状況にあり、北米や中国でのEV戦略の見直し、製品ラインナップの改善が求められています。
内田氏は役員報酬を50%返還する決断を下し、今後も厳しい舵取りが求められるなかで、従業員や株主からの信頼回復を目指しています。
グローバルな視野と市場理解を武器に、日産を再び成長軌道に乗せることができるか、今後の内田氏のリーダーシップに期待がかかります。
まとめ
内田誠氏は、同志社大学神学部を卒業後に日商岩井から日産へ転職し、豊富な海外経験を活かして2019年にCEOに就任しました。
厳しい経営環境の中で役員報酬の50%返還を決断し、日産の再建に尽力する内田氏ですが、北米や中国での販売不振など課題は山積しています。
今後、グローバルな視点とリーダーシップでどのように日産の経営を立て直すのか、その手腕に注目が集まります。
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