2024年の兵庫県知事選に立候補している稲村和美さん。
彼女の評判や実績は、尼崎市長としての12年間に培われたものが中心です。
本記事では、稲村和美さんのこれまでの功績や、兵庫県知事選に対する意気込みを多角的に解説します。
※11/17 22時追記 斎藤元彦氏が当選確実となりました。
稲村和美の評判—市民とSNSでの評価
兵庫県知事選に立候補している稲村和美さん。
前尼崎市長として長年にわたり市政に貢献してきた彼女には、多くの支持と同時に批判も集まっています。
ここでは、稲村和美さんの評判を「賛成」「否定」それぞれの視点から分けて整理しました。
市民からの評価
稲村さんは市民から「財政再建の功労者」として高く評価されています。
特に財政改革や治安対策、子育て支援の拡充により、多くの支持を得ています。
しかし一方で、USBメモリーの紛失事件などもあり、支持と批判が混在しています。
項目 | 市民の評価 |
---|---|
財政再建 | 財政改善に成功し、地域経済を健全化 |
子育て支援 | 医療費助成や中学校給食の導入に高評価 |
治安改善 | 暴力団事務所の撤廃や防犯対策で支持増加 |
USB紛失事件への対応 | 信頼低下もあるが、迅速な対応が評価される |
イメージ向上 | 駅周辺整備や住みやすい街の実現で評価が上昇 |
SNSでの声
SNSでは稲村さんの実績に対して、賛否が見られます。
「尼崎市の再生を成し遂げた」と評価する声がある一方で、USBメモリ紛失事件をきっかけに「管理体制に疑問」との声もあります。
特に子育て支援や治安対策への評価はポジティブな意見が多く、彼女が次の兵庫県知事として相応しいと感じる人も多いようです。
また、左系のイメージが強いので保守系の方からは一部パッシングも受けています。
「外国人参政権を進めるって本当?」という声も多いですが、これは本人は否定しています。
いい評判
尼崎市の財政改革
稲村さんの市政で特に評価されるのが「財政改革」です。彼女が就任した2010年当時、尼崎市は巨額の負債を抱え、厳しい財政状況にありました。
稲村さんは市長として職員数削減や給与カット、外郭団体の統廃合など徹底的なコスト削減を実行。
市の予算管理体制を整え、持続可能な運営を実現しました。これによって、地方行政の持続性を支えるリーダーとして高い評価を受けています。
治安改善と地域イメージの向上
稲村さんは治安改善にも尽力。市内に存在していた暴力団事務所の撤廃や防犯パトロールの強化を行い、地域の治安向上に貢献しました。
加えて、駅前の再開発などによって市のイメージも向上し、尼崎市が「住みやすい街」に選ばれたこともあります。
この成果から、安全で魅力あるまちづくりに貢献したとして支持を集めています。
子育て支援と教育の拡充
稲村さんは子育て支援と教育にも力を注ぎました。具体的には中学校給食の導入や、18歳までの医療費助成制度の実現、子育て支援センターの増設など、子育て世代に対するサポートを拡充。
これらの取り組みは地域の若い世代からも支持され、子どもを持つ家庭にはとても高い評価を得ています。
「対話と信頼」のリーダーシップ
兵庫県知事選に向けて稲村さんが掲げる「対話と信頼」を重視する姿勢も支持されています。
特に、知事として県職員や県議会、県民と対話を重ね、信頼関係を築く姿勢は「市民派」としての政治姿勢が評価されています。
県内の問題に対しても、柔軟に対応しつつ市民と共に歩む姿勢を期待する声も多いです。
悪い評判
既得権益と関係が深いという批判
一部の県民からは、稲村さんが既得権益に寄り添っているとの批判が挙がっています。
彼女が市長在任中、労働組合や特権階級と良好な関係を維持していたことから「改革に対して妥協的で、県政でも同じスタンスになるのでは」という懸念を持つ意見があります。
また、県政でも県職員や議員との癒着が進むのではないかとする声もあります。
「県民のためよりも職員優先」との指摘
知事選の討論会や発言の中で、稲村さんが「職員のため」を強調する場面が多かったことから、一部の有権者からは「県政はあくまで県民のためであるべきではないか」と疑問視する意見も出ています。
特に、「県民第一ではなく、職員寄りの姿勢では県政の本来の役割が果たせないのでは」との批判が見受けられます。
USBメモリ紛失事件と危機管理への不安
稲村さんの市長時代、尼崎市の全市民分の個人情報が入ったUSBメモリが一時的に紛失する事件が発生し、その対応についても批判がありました。
彼女はこの事件に対してボーナス全額カットで対応したものの、「危機管理に不安がある」という声は根強く、今もなお懸念されています。
改革の不透明さと抽象的な政策
稲村さんの主張はしばしば抽象的だとの指摘もあります。
特に「対話と信頼」を掲げる一方で、具体的な改革内容や詳細なアプローチについて明言しないことから、「政策が曖昧で、知事になっても実現性が乏しいのでは」と疑問を持つ意見があります。
特に県庁建て替え問題については費用対効果が不透明とする声が多いです。
極左活動家の支援への懸念
稲村さんが「緑の党」に参加していた経歴や、極左団体からの支持があるといった噂から、「県知事になった際、左寄りの政策が増えるのでは」と不安視する意見も出ています。
加えて、選挙活動中に一部の支持者が対立候補への妨害行動を取ったことも問題視され、稲村さん自身の信用に影響が出ています。
稲村和美のプロフィール
略歴と経歴
稲村和美さんは1972年に奈良県で生まれ、神戸大学法学部を卒業。
阪神・淡路大震災を機にボランティア活動に携わり、ここで得た「市民自治」の考えを政治活動の基盤としています。
その後、2003年に兵庫県議会議員として初当選。2010年に尼崎市長に就任し、2022年までの3期12年間にわたり市政に尽力しました。
尼崎市長として、日本でも有数の厳しい財政状況にあった同市を立て直し、多くの評価を得ています。
兵庫県知事選への出馬理由
稲村さんは2022年の尼崎市長退任後、いったん政治家としての道を引退していました。
しかし、兵庫県政の停滞や混乱を憂慮し、県民からの信頼回復を目指して2024年の兵庫県知事選に出馬。
彼女は知事選でのテーマとして「対話と信頼なくして改革なし」を掲げ、信頼ある県政を取り戻す決意を語っています。
尼崎市長時代の実績
財政再建への取り組み
稲村和美さんは、就任当初から財政危機に瀕していた尼崎市の再建に注力しました。尼崎市は莫大な負債を抱えていたため、経費削減と収支の均衡が求められていました。
- コスト削減の施策
特別職の給与カット、職員数の削減、外郭団体の再編、事業の見直しなど徹底した経費削減を実施。 - 財政改革の成果
稲村さんの取り組みにより、市の収支は安定し、任期を終える2022年には借金(公債費)が大幅に減少。また、主要基金も増加し、健全な財政運営を実現しました。
子育て支援と教育への取り組み
稲村さんは、未来を担う子どもたちへの投資として、教育や子育て支援に力を注ぎました。
- 中学校給食の導入
2022年には、尼崎市内の中学校での給食提供が実現しました。栄養バランスを考慮し、アレルギー対応の仕組みも導入し、子育て家庭から高評価を得ています。 - 子ども医療費助成の拡充
医療費助成対象を拡大し、18歳までの入院医療費を全額助成する仕組みを導入。多くの子育て家庭から支持を集める施策です。 - 子育て支援センターの増設
就任時には6か所だったセンターを11か所にまで増設し、子育て家庭が利用しやすい環境を整えました。
治安改善と地域の安全対策
稲村さんの市長時代には、尼崎市の治安も大幅に改善しました。尼崎市は一時期、犯罪率の高さや暴力団事務所の存在で「治安が悪い街」とされていましたが、稲村さんの主導で安全な都市へと変貌しました。
- 暴力団事務所の撤廃
市内の暴力団事務所を全て排除し、違法風俗の拠点となっていた「かんなみ新地」も閉鎖しました。 - 防犯体制の強化
青色防犯パトロールやひったくり防止キャンペーンの導入により、路上犯罪の発生件数も減少しています。
尼崎市のイメージ向上
稲村さんは尼崎市のイメージ向上にも努めました。かつての工業都市というイメージから「住みやすい街」への変革を目指し、駅周辺の再開発や生活環境の向上に取り組みました。
- 駅前再開発: JR尼崎駅周辺に商業施設や大型マンションを整備し、利便性の向上に成功。
- 住みやすい街1位に選出: 2018年には尼崎市が「本当に住みやすい街大賞」に選ばれました。
兵庫県知事選への意気込み
出馬の背景
稲村さんが兵庫県知事選に出馬した背景には、県政の停滞と信頼の失墜があります。
兵庫県は「将来負担比率」などが全国で最も悪く、さらに文書問題などで内部通報制度の信頼も揺らいでいます。
稲村さんは、「風通しの良い県政」を掲げ、職員と県民の信頼関係を取り戻す改革に意欲を燃やしています。
稲村和美が掲げる主な公約
- 人事評価とハラスメント防止条例の導入
職員が上司ではなく県民を第一に考えられるよう、人事評価制度の改革を掲げています。
また、ハラスメント防止条例を導入し、職場環境の改善を図る方針です。 - 財政改革の実行
尼崎市での財政再建を参考に、兵庫県の財政改革も強力に推進。負債の削減や支出の見直し、収支のバランス確保を目指しています。 - 対話と信頼による県政運営
市民一人ひとりの声に耳を傾け、職員や議会と対話を重視する「市民自治型」の県政運営を強調しています。
まとめ
稲村和美さんは尼崎市長としての12年間の実績をもとに、兵庫県知事選に挑みます。
賛否両論がありつつも多くの県民だけでなく全国的にも注目されています。
支持する声は「財政改革」「治安改善」「子育て支援」といった実績を背景に、期待を寄せるものです。
一方で、既得権益との関係や抽象的な政策姿勢、USB事件の危機管理面に対する不安が批判の主な理由です。
いずれにせよ、稲村さんが兵庫県の未来にどう向き合うかが県知事選の重要な焦点となっています。
SNSや市民の声を通じて彼女の評判は一概に良いものばかりではありませんが、そのリーダーシップと「信頼ある県政」を築く決意には多くの注目が集まっています。
彼女が掲げる「対話と信頼」を実現できれば、兵庫県の未来は大きく変わるかもしれません。
※斎藤元彦氏に当選確実が出ました。
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